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MONTHLY / Listening with Emotions vol.03 MONTHLY / Listening with Emotions vol.03

INTERVIEW, MUSIC 2021.6.8

MONTHLY / Listening with Emotions vol.03

Selector : James Oliver

人は誰もが感情を持っており、それは音楽と深く結びつき互いに作用し合っている。感情にポジティブな影響を与え、人生を豊かにしてくれることがあるのが音楽の魅力。そんな側面を持つ音楽はカルチャーとも深い関わりを持ち、男の“スタイル”にとって重要な要素だ。本連載は皆が持つ“感情”から、大事なカルチャーのひとつでもある“音楽”へと誘う。第3回目は、雑誌『THE NEW ORDER』『her.』を手がけるジェームズ・オリバー氏。※こちらはGRIND Vol.97に掲載した記事です。

Photo Kazuma Seto
Edit Hiroumu Sasaki

  • Artist name
    Rob Zombie

    Song title
    Dragula
  • 【 集中したい時 】
  • Dragula
  • Artist name
    Rob Zombie
    Song title
    Dragula

    曲自体は全然落ち着く感じではなくて、逆にメタルとかハードコアみたいなサウンドなんだけど、仕事していて集中したい時に聴いているんだ。すごくうるさい曲調だから、人の声だったり周りの音をシャットアウトしてくれるんだ。だからいろいろなアイディアが出てきやすいのかもしれないね。レイアウトを考えていたりライティングをしている時とかにね。人気はなかったけど中学生くらいから聴いているよこのアーティストは。それこそニュージーランドにいる時からずっと聴いてきたけど、周りの友達はひとりくらいしか聴いてなかったな(笑)。

  • Artist name
    The Verve

    Song title
    History
  • 【 ゆっくりしたい時 】
  • History
  • Artist name
    The Verve
    Song title
    History

    このアルバムは当時発売した日に買ったんだ。よく覚えているよ。お兄ちゃんの影響もあってイギシスのロックバンドのハッピー・マンデーズだったりザ・ストーン・ローゼズが好きだったんだけど、そこからオアシスやザ・ヴァーヴとかそこらへんが好きになっていったね。U.K.ロックだったりが好きだったから音楽番組のトップ・オブ・ザ・ポップスとかでよく聴いていたよ。だから自分のルーツにU.K.カルチャーやムードだったりはあると思うし当時もよく聴いていたから、今でもこういった類の音楽を聴くとリラックスできるのかなって思う。

  • Artist name
    DD smash

    Song title
    Outlook For Thursday
  • 【 ポジティブ 】
  • Outlook For Thursday
  • Artist name
    DD smash
    Song title
    Outlook For Thursday

    これは僕の故郷でもあるニュージーランド出身の昔のバンドなんだ。曲自体はジャズっぽさがありつつ、アップテンポな曲調で、子供とか家族とかと一緒に過ごしている時とかよくかけているかな。何ていうかポジティブなフィーリングと曲調がすごくマッチするんだよね。もちろん家族といる時限定じゃなくて、普段ひとりの時とかもよく聴いているかも。それに家にいる時とかはテレビとかあまりつけなくて、どちらかといえば音楽をかけることが多いんだ。だから自然とその時の気分やムードに合った曲をかけているかもね。

  • Artist name
    Tricky

    Song title
    Bad Dreams
  • 【 現実から離れたい時 】
  • Bad Dreams
  • Artist name
    Tricky
    Song title
    Bad Dreams

    DJする時とかにはいつもこのアーティストの曲はかけているね。その場に友達とかいると、なんでか分からないけどかけたくなっちゃうんだよね(笑)。多分みんなアルコールを飲んでる状態で楽しそうにしているし、その瞬間をもっと楽しくさせたいってシンプルな願望からかもしれない。それに俺自身もその空間に溶け込みたいって気持ちもあって、普段の現実的なことを忘れたいって気持ちもそこにはある気がする。ちなみに彼はもともとビョークと付き合ってたこともあって、90年代はイギリスで結構人気があったんじゃないかな。

音楽から広がるカルチャーと
それらがつながっている面白み

 ニュージーランドで生まれ育ち、サッカー選手としてキャリアを歩み、今現在東京を拠点にファッション&アート&カルチャー誌を手掛けるジェームズ・オリバー氏。彼の中には多種多様なカルチャーや経験が交差し、作り出されるクリエイションには独自の世界観が宿る。その感性は雑誌編集以外にもDJ活動を行ったりと、音楽の方面も気になってしまうのが正直な所だ。彼にとっての音楽は何なのか。「はじめて8歳の時にカセットテープを買ってから、音楽はずっとそばにいる存在だね。それに僕が今家族と家で過ごしている時と同じで、僕のお母さんも家ではテレビよりも音楽をかけてくれていたんだ。だからどんな感情の時にも常に隣にあったし、特別で何か難しいものではないってことさ」。幼少期からそばにあった音楽。そこから広がった世界は今に通じると話す。「ニュージーランドで育ったのもあって、U.K.ロックはもちろん好きだよ。でもスケートボードもハマってたから、その時期にアメリカのロックやグランジにハマってたね。僕は洋服がボロボロな状態でも良いって今だに思っていて、そういった価値観はスケートとかのサブカルチャーとかで育まれた気がする。結局そこからファッションとかも好きになっていったしね。だから音楽からはじまっていろいろなことに興味を持ってたし、ほとんどお互いつながっているなって思っているよ。結局は音楽を聴いた時にどう受け止めるのかは本人次第だし、音楽には血液が流れていて人格があるって思う。言葉にすると上手く言えないけど、個人的には聴く時は音楽とは対等な立場で聴きたいかな」。

PROFILE

James Oliver

『THE NEW ORDER』『her.』を手がける編集者。ニュージーランド出身で元サッカー選手という異色の経歴を持つ彼から発行される媒体は、日本国内のみならず世界規模でも評価されておりグローバル誌として認知されている。

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