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MONTHLY / Listening with Emotions vol.02 MONTHLY / Listening with Emotions vol.02

INTERVIEW, MUSIC 2021.3.31

MONTHLY / Listening with Emotions vol.02

Selector : Toyoyuki Yamada

人は誰もが感情を持っており、それは音楽と深く結びつき互いに作用し合っている。感情にポジティブな影響を与え、人生を豊かにしてくれることがあるのが音楽の魅力。そんな側面を持つ音楽はカルチャーとも深い関わりを持ち、男の“スタイル”にとって重要な要素だ。本連載は皆が持つ“感情”から、大事なカルチャーのひとつでもある“音楽”へと誘う。第2回目は、Domicile Tokyoと先々月オープンしたばかりのDJバー、Mitsukiのマネージャーを務める山田豊幸さん。※こちらはGRIND Vol.96に掲載した記事です。

Photo Kazuma Seto
Edit Hiromu Sasaki

  • Artist name
    MAP OF AFRICA

    Song title
    Dirty Lovin
  • 【 憧れの感情 】
  • Dirty Lovin
  • Artist name
    MAP OF AFRICA
    Song title
    Dirty Lovin

    ワイルドというか不良感がこの2人にはあるんです。そこに対する男としての憧れみたいなのがあるんですよね。DJ Harveyっていうレジェンドと、RUBNTUGのThomas Bullockってイギリス出身の超大好きなDJの2人なんですけど、ルックスからライフスタイルから、この2人には素直に憧れの感情しか湧かないですね(笑)。曲名にダーティーって人ってるくらい音としてヤバイってことももちろんあるんですけど、誰が作っているのかってことは僕にとっては重要なんです。もはやこの曲を聴いている自分ってだけで満たされるくらいで、2人の作品はとにかく買い集めてるんです。

  • Artist name
    JERRY HARRISON

    Song title
    Worlds in Collision
  • 【 自分を表したい時 】
  • Worlds in Collision
  • Artist name
    JERRY HARRISON
    Song title
    Worlds in Collision

    ローキング・ヘッズってバンドのギタリストのソロ名義のやつで、僕がニューウェーブってジャンルを好きになった頃から知っていた曲なんです。ニューウェーブをきっかけに、ディスコ方面を掘っていったんですけど、そこでコズミックっていうジャンルに行き着いて、この曲はそのクラシックなやつなんです。だから昔知っていた曲が、後になって掘っていった先につながったみたいな。もともとニューウェーブってジャンルを好きになったきっかけはファッションが入り口だったりもしたから、自分を表したいって感情や洋服ってことにリンクしている曲なんですよね。

  • Artist name
    SHIMOTSU KOJI ×
    AHM From OVER DOVE


    Song title
    SUMMER MADNESS
  • 【 浸りたい時 】
  • SUMMER MADNESS
  • Artist name
    SHIMOTSU KOJI ×
    AHM From OVER DOVE
    Song title
    SUMMER MADNESS

    踊ってばかりの国ってバンドの下津ってボーカルと、アキムってDJの2人で作ったもので、これは夏の終わりの曲なんですよ。“秋の入り口”ってフレーズが歌詞に入っているくらいなんで(笑)。歌詞もそうなんですけど、どこか懐かしんでいる感じが音自体にあるんですよね。それから友達2人が作った曲ってことでも思い入れがあるし、クラブで流した事をキッカケに若い子たちがこの曲と2人のファンになったというストーリーもあって、特別な何かがこの曲には僕の中ではあって。そうした色々な感情の要素が禍巻いて、哀愁感だったり懐かしいって感覚につながっているのかもしれないです。

  • Artist name
    Two Tons O'Fun

    Song title
    Just us (Re-Edit)
  • 【 多幸感 】
  • Just us (Re-Edit)
  • Artist name
    Two Tons O'Fun
    Song title
    Just us (Re-Edit)

    僕の1番根底にあるディスコやダンスクラシックスの1曲で、1番長いこと掘ったジャンルではあるんです。クラブの朝方とかに僕はこの曲をかけることが多くて。その時間帯なんて残っている人とかほんの一握りだったりもするんですけど、残った人にしか味わえない空気感が朝方のクラブにはあったりもするんですね。この曲はすごく多幸感があるソウルフルな曲だから、その幸せななんとも言えない空気感を最後に残った仲間と共有したいと言うか、一晩の締めくくりに聴きたくなるんです。曲名もそうなんですけど、結束感みたいなのもこの曲にはあるんですよね。

音楽があるからこその今現在

カルチャー色が色濃く映るセレクトショップやDJバーのマネージメントをやる傍ら、己自身もさまざまな箱にてDJ として音楽を通じカルチャーを発信し続ける山田豊幸さん。それだけには止まらず、近いうちにSYM PRODUCTIONと冠したN.Yカルチャーの日本の窓口としてのレーベルのうちのひとりとして、水面下で動きを見せつつある。山田さんから強く匂ってくるこの“音楽”と“カルチャー”。そこには理由が存在する。「もともとファッションが好きで、そこをもっと深掘りするためには周りにあるカルチャーである音楽や映画を知らないといけないっていう先輩の教えから、音楽を掘るようになったのが最初なんですよね。だから正直ファッションとかクラブカルチャーを追ってなければ、ここまで音楽に深くのめり込まなかった気がします。僕の中では音楽にとって凄く重要な存在なんです。ファッションやカルチャーの後ろに音楽があって、音楽の後ろにファッションやカルチャーがある。どちらか片方だけってことにはならないです、僕にとっては」。音楽とカルチャーの密接さを話してくれた後に、山田さんにとってもうひとつ密接する事実があると語る。「人との出会いがもうひとつにありますね。今仕事を一緒にしている人や、先輩後輩、そして友人らに、もし音楽がここまで日常になかったら出会えていない人たちが多過ぎます(笑)。これほどまでに自分の人生に影響を与えることになるとは、まったく想像していなかったですけど、結果として音楽があったからこそ今だと思います」。

PROFILE

山田豊之

セレクトショップDomicile Tokyoのマネージャーと、先々月オープンしたばかりのDJバーMitsukiのプッキングマネージャーを務める傍ら、自身もYamarchyとしてDJ活動の幅を数多くの箱で広げる。

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