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CULTURE, FASHION, MONTHLY, NEWS 2020.12.1

GRIND FEATURE TOPIC『CHANGE』

心斎橋PARCO

場所を変えても
変わらないもの

個人の生活、集団での活動、あらゆる方面で従来の在り方からの“変化”が求められた本年。とりわけリアルな現場や五感を使って楽しむことを基本とする、ファッションやカルチャーにおいてその影響は計り知れず、絶対的な解は未だ見つかっていない。そんな中昨年11月にリニューアルオープンした渋谷PARCOを筆頭に、こうした状況下でも歩みを止めない〈パルコ〉が今月20日に大阪・心斎橋にて〈心斎橋PARCO〉をオープン。 9年ぶりの大阪・心斎橋への出店から見えてくるのはリアルな場所の価値、そして〈パルコ〉が大切にしてきたファッションとカルチャーへの愛。

Photo Masao Inoue
Edit Shuhei Kawada

  • スライド

    館内では最近ファッションシーンにおいてもその名を轟かせているアーティスト、空山基氏が手がける巨大な“セクシーロボット” が展示されていたりと、アートが溶け込み訪れる人々に驚きや発見を与える。

  • スライド

    旧「渋谷PARCO・パート1」外壁に展示されていたネオンサインも館内に展示されている。地下2階には「A」、13階には「O」の2つが設置されており、その迫力に目を奪われる。

心地よいカオス

 ハイブランドの店舗などが立ち並びファッションへの関心の高さがうかがえると同時に、雑多な雰囲気の商店街が、活気を感じさせる大阪の心斎橋エリア。大阪の中心地ともいえるこのエリアの大丸心斎橋店北館をリニューアルし、11月20日にオープンしたのが〈心斎橋PARCO〉だ。時代の先頭を走り続け、変化を受け入れながら歩んできた歴史はこのような状況においても、ポジティブなエネルギーを発する場所や機会を創出し、多くの人に刺激を与えている。ファッション、アート、食などが交錯しながらB2Fから14Fまでを貫く、整然としすぎない雰囲気は、リアルな場所にしかない温度感や予期せぬ事柄との出会いの重要性を浮き彫りにする。最近は画面上で自身にあうコンテンツだけを深掘りしたり、お気に入りのブランドやショップにアクセスを繰り返す日々かもしれないが、それだけではなんとも刺激に欠けてしまう。〈心斎橋PARCO〉は誰かにとっての好きなモノ、好きな事を網羅しつつ、新たな出会いへと繋がるきっかけを随所に散りばめている。デジタルのコンテンツ強化ばかりに目が向く一方で、こうした場づくり、場所のエネルギーは一層価値を高めいくのだと改めて意識させられる。渋谷PARCOのリニューアルの際に感じた、ラグジュアリーからストリートまでを包括的にかつ明確に仕切るのではなく、程よくミックスしながら全体の要素としてお互いを作用させていく方向性は、〈心斎橋PARCO〉においても健在。渋谷で表現したことの根底を維持したまま、心斎橋というエリアのローカル的な感覚も取り入れていく流れになるだろう。

facetasm / kolor
どちらも大阪への初出店となるファセッタズムとカラー。白を基調としたシンプルな内装のファセッタズムと、カラフルな導線などが剥き出しの壁面部分が目を引くカラー。それぞれ雰囲気は違うが、洋服の魅力を引き出す内装に仕上がっている。


MYKITA / STONE ISLAND
神宮前の旗艦店に続く国内2店舗目の出店となるマイキータ。壁一面を埋め尽くすアイウエアの数々は圧巻で、さながらアートの展示のような様相。自身に合う一本を見つけるには十分なほどの品揃えを楽しみたい。ストーンアイランドも充実した品揃えで、比較的広めのフロアを盛り上げている。アウターからカットソーまでカラーバリエーションを豊富に揃える。


カテゴリーではなく
心に刺さるかどうか

 グッチ、メゾン マルジェラなどいわゆるメゾンといわれるようなビッグブランドから、サカイ、ファセッタズムなど日本を代表するブランドまで、人々の心を動かすクリエイションを続けてきた顔ぶれが並ぶ多様な店舗は、ある共通項によって結ばれている。メゾン マルジェラの新たなコンセプトショップは日本初出店のもので、ジェンダーの概念を取り払ったフラットなフロア構成が、時代の流れを推し進めるような自由なファッションの捉え方を提案する。また渋谷PARCOでも絶大な支持を得る、MEDICOM TOY、NANZUKA、小木“POGGY”基史とデイトナ・インターナショナルによる「2G TOKYO」の2号店「2G OSAKA」は、ファッション、アートの融合を象徴する存在として、ここ心斎橋でも光を放つ。流れるように気軽に行き来して、どこかのショップで琴線に触れる部分があれば、系統は異なれど背景にあるブランドやショップとしての確かな意志に、興味や関心がリンクしていく体験ができるのではないだろうか。それこそがまさに〈心斎橋PARCO〉においても大切にされている共通項であり、実際に訪れた際の高揚感の裏付けでもあるのだろう。それぞれ独立した店舗ではあるが、人の流れによって作用し、訪れる人々にとって意味のあるものに変化する。今のためだけの場づくりではなく、現在に至るまでのストーリーを拾い、この先に向けた見せ方をしていく。ファッションやカルチャーの在り方そのものが変わってきているが、そうした変化に順応しつつも、リアルな場所としての楽しみ方を磨き上げていくという気概を〈心斎橋PARCO〉から感じることができる。

Sacai
もはや世界的なブランドとして認知されているサカイ。今回〈心斎橋PARCO〉のオープンを記念してポーターとのミニバッグ、アイコン的な異素材の組み替えを施したダウンジャケットの2型が特別に用意された。


UNDERCOVER / PORTER EXCHANGE
アンダーカバーやポーターもそれぞれの世界観を存分に反映したレイアウトや内装で訪れる人々を魅了する。

Q
大阪のフェザーズ ゴッファやハヌゥ、南青山のストリップストアを運営するゴッファの新店舗としてQがスタート。和を思わせる内観に、海外の新鋭ブランドや、上品なテーラーの香りが漂うアイテムが並ぶ。確固たるビジョンを感じさせるセレクトは少しニッチな色を与えるが、ここ〈心斎橋PARCO〉における大きなアクセントとして存在感を発揮することだろう。

14階のイベントスペース、PARCO EVENT HALLでは、第一弾として渋谷のアートギャラリー、NANZUKAのキュレーションによるグループ展が行われている。グラフィックデザインはYARが担当するなど、展示するアーティストだけでなく、空間としての楽しみを感じられる。

Information

心斎橋PARCO

大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3

物販・サービス 10:00〜20:00
飲食店 10:00〜21:00
※一部店舗は営業時間が異なります。
※新型コロナウイルス感染状況を鑑み、当面の間営業時間を短縮いたします。

shinsaibashi.parco.jp

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