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CULTURE, INTERVIEW, MONTHLY 2020.7.7

GAME CHANGER

Interview with Alex Olson ×
Theophilos Constantinou from Paradigm Publishing

アレックス・オルソン初の写真集『RED』がビームスT 原宿にて世界先行100部限定発売!

スケーター、ビアンカ シャンドンのディレクター、DJなど多彩な活躍を見せるアレックス・オルソンが、フォトグラファーとして初の作品集『RED』をニューヨークの出版社パラダイム・パブリッシングから出版する。日本ではビームスT 原宿にて世界に先がけ100部限定で販売され、同時にTシャツなども展開されるという。アレックス・オルソン、パラダイムを主宰するセオフィロス・コンスタンティノウの2人の関係性からこのプロジェクトに至るまで。そして日本での展開について。本来であれば来日予定だったが、こうした状況下のため、急遽ビデオ通話にて対談が実現した。

Interpreter_Shimpei Nakagawa
Special Thanks_BEAMS

フラットで深い関係性

アレックス・オルソンがフォトグラファーとして初の作品集を出版する。そう聞くだけで湧き立つ人も多いだろう。そして作品集として楽しませてくれるだけでなく、その背景やストーリーを辿ることで、一層豊かな体験となる。アレックス・オルソンと作品集『RED』の出版を手掛けたニューヨークのインディペンデントパブリッシングレーベル、パラダイム パブリッシングの主宰であるセオフィロス・コンスタンティノウに、2人の関係性や出版に至るまでの経緯、そして裏話をとことん語り尽くしてもらった。

  • スライド

    対談中は終始ジョークが飛び交う和やかなムード。3時間近くに及んだ対談は、空気感も含めてお互いの密な関係性を言葉以上に物語っていた。

  • スライド

    対談中は終始ジョークが飛び交う和やかなムード。3時間近くに及んだ対談は、空気感も含めてお互いの密な関係性を言葉以上に物語っていた。

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    対談中は終始ジョークが飛び交う和やかなムード。3時間近くに及んだ対談は、空気感も含めてお互いの密な関係性を言葉以上に物語っていた。

ー セオ「2013年頃にアレックスにインタビューさせてほしいとメールして」。
ー アレックス「そして俺らは出会ったんだけど、セオはインタビューの時に今まで聞かれたことのないような、ヘビーで濃い4つの質問をしてきたんだ。とても哲学的で、例えば“21世紀において流動的な存在であるのはどのような感じ?”みたいな、めちゃくちゃ深い質問だった」。


セオの深い洞察力と思考はアレックスを引きつけ、親交が始まった。

ー セオ「俺らは本当に兄弟みたいなんだ。同じ食べ物、同じ色が好きで」。
ー アレックス「ご飯を食べたり、コーヒーを飲んだり、くだらないことを語り合って」。


損得やビジネスライクではない互いへのリスペクトが、フラットな関係性を築く。

ー アレックス「セオはよく本を読むんだ。スマートで相手の意見を尊重できる。NYでは自分の話を延々と続ける人も多いけどセオは人の話にも耳を傾けるんだ。もちろんくだらない話もたくさんするよ。2人でスパイダーマンを映画館で観た時は、でっかいポップコーンを食べながら3Dメガネをかけて、まるで12歳の少年のようだった。みんなシリアスになりすぎてるだろ?哲学的な話から、スパイダーマンの話までできる奴。そんな友達はなかなかいないんだ」。
ー セオ「アレックスは本当に素直な人間なんだ。多くの人はシュガーコート(上辺だけよく見せること)するけど、彼は率直で自分の意見を伝えることを恐れない、100%彼自身なんだ。見せかけの人も多いだろ?加えて、自分も彼も世界中のスケーターと関わりを持つけれど、自分の考えに執着している人も多いんだ。でもアレックスはもっと広い範囲で、外の世界の意見も取り入れようとする。そんなところもとても尊敬しているよ」。


そしてこの互いへのリスペクトこそが、『RED』を出版するまでに至らせた。

2013年頃にセオが撮影したアレックスのポートレート。

馴染みのある被写体を
アートとして

7月17日(金)よりビームスT 原宿にて、写真集『RED』の発売を記念したポップアップが開催される。¥7150

㉄ビームスT 原宿
TEL_03-3470-8601
https://www.beams.co.jp/beamst/

今作『RED』では、さまざま角度から切り取られた路上のショッピングカートが並ぶ。2012年頃にアレックスが撮り溜めていた写真の数々をまとめたそうだ。アレックス「すごく前に本を作ろうとしたんだ。でもやり方もよくわからなかったし、やり抜く自信もなかった。セオとつるんでいくうちに、“パラダイムでやればいいじゃん”って思い、持ちかけたら賛同してくれた。2012年頃、LAにスタジオを持っていた時、ショッピングカートをよく見かけたんだ。カートはフィギュアのようで、記録しておきたくなったんだ。違う角度から見ると全く違って見えたりして、すごく楽しめる。実際に本でも同じカートを違うアングルで撮っているのもあるよ。カリフォルニアでは、人と違う視点で物事を見て、アートとして抽出して楽しむんだ。あとはサンタモニカで、スケートをしながら育った子供の頃から、カートはずっと自分の周りにあるもので、見ていると落ち着くんだ。思い出とまでは言わないけれど、すごくLAって感じがする」。そしてこの『RED』は壮大なプロジェクトのスタート地点でもある。アレックス「セオと飯を食っていて、『RED』を作りたいと話した。メインカラー(赤や青や黄色)を用いたシリーズにして、最終的に本棚が虹色になるんだ。とても美しいだろ?要するにこれはシリーズのはじめということさ」。

  • スライド

    今作を構成するショッピングカートは、それぞれが異なる造形をしており、独特な雰囲気を醸し出している。アレックスが言うように、ある種アートに近い不思議な魅力を放つ。

  • スライド

    今作を構成するショッピングカートは、それぞれが異なる造形をしており、独特な雰囲気を醸し出している。アレックスが言うように、ある種アートに近い不思議な魅力を放つ。

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    今作を構成するショッピングカートは、それぞれが異なる造形をしており、独特な雰囲気を醸し出している。アレックスが言うように、ある種アートに近い不思議な魅力を放つ。

  • スライド

    今回の発売に際して、本来であればアレックスが来日してサイン会を行う予定だった。残念ながら世界的な状況も踏まえ来日は見送ることになったが、購入の特典用に直筆サイン入りのポストカードを用意してくれた。アレックスの粋な計らいは、作品にさらなる価値を付加するなんとも嬉しいサプライズだ。

  • スライド

    今回の発売に際して、本来であればアレックスが来日してサイン会を行う予定だった。残念ながら世界的な状況も踏まえ来日は見送ることになったが、購入の特典用に直筆サイン入りのポストカードを用意してくれた。アレックスの粋な計らいは、作品にさらなる価値を付加するなんとも嬉しいサプライズだ。

自分の好きなことを共有し
誰かをインスパイアする

アレックスとセオ。彼らのスタイルにも共通項は多い。

ー アレックス「スケートをしていると、いろんな人のスタイルに気付き始める。何を着ているか、持っているか、あいつは誰々よりかっこいいとか。そういう要素を自分に取り入れたりして、洋服を探してファッションが好きになったり、そこからファッションフォトに興味を持って勉強したり、全ての要素が影響しあっていて自然と俺の中に入ってくるんだ。何かに興味を持ったらすごく知りたくなるし、知らないことや知識がないことが嫌い。知ることで会話ができるし、より深く理解できる」。
ー セオ「独立した個人として前に進んでいる。プロジェクトに取り組んだり、本を出版したり、旅をしたり、写真を撮ったり。ただ“自分”をしているだけさ。システムに沿って動いているわけじゃないし、その点はアレックスも同じじゃないかな。俺たちは左を向けって言われたら右を向くタイプだね」。
ー アレックス「多分俺らの動きは全て好奇心からきていると思う。何か好きなものを見つけた時、誰かにシェアしたくなることがあるでしょ?好奇心を持って、学びたいという思いから始まっていくんだ。そして自分らしい形で表現する。もちろん過去から学ぶけれど、今の時代は自分自身で考えられない奴が多すぎる。要するに好奇心と学びと共有ってこと」。


お互いにリンクする、物事への向き合い方や姿勢。セオはパラダイムとして出版や書籍を通して世の中に仕掛けを行うが、その根底にも強い信念が。

ー セオ「俺はずっとアナログなんだ。本を買うし本を信じてる。まず未来はデジタルだって考えに一切賛成できないよ。出版業界で生き抜くことは難しいけど、しっかりとした基盤、ビジョン、ハイクオリティなプロダクトがあればまだまだ余地はある。賢いやり方をしないといけないし、簡単なビジネスではないけれど。そもそも出版をはじめたのは、単純にデジタルに疲れたからさ。そして好奇心と知りたいという気持ち、ストーリーを伝えたいってことに限るね。他の誰かのストーリーを、僕の周りの面白い奴らのストーリーを人々に伝えて、インスパイアしたい。誰かが『RED』を買って、刺激を受けて何かに取り組んでもらえたら嬉しいよ」。

世界に先駆け、ビームスT 原宿において発売される『RED』。パラダイムとビームスT 原宿をつなげたのも、自らを“アナログ”というセオの感覚があってこそかもしれない。セオ「ただ人に興味があるんだ。テクノロジーが発達した今の時代は中途半端な関係性が多いだろ?ビームスのスタッフにしても、昨年3〜4日は一緒に過ごしたよ。ビジネスを超えて深い関係性になるんだ。特に二口さん(ビームスTのバイヤー二口輝章氏)との関係性は本物だよ。アレックスとも最初はインタビューする側とされる側で、時間をかけて関係を作り上げたからね。最も大切なのは、僕はいつでも直接会いにいくってことさ。フェイクな関係性はいらないんだ」。アレックスとセオがそうであったように、ビームスのメンバーとも人間として向き合い、親交を深めていくことで、このビッグな案件が結実した。リスペクトや想いを汲み取るという過程を経て生まれる血の通ったプロジェクトは、関係者はもちろん、受け取る我々を含めた多くの人を巻き込み、インスピレーションを与えてくれる。

アレックス×パラダイム×ビームスT
今回のリリースに合わせて、アレックスとパラダイム、そしてビームスTのトリプルネームのTシャツが登場。アレックスが最近影響を受けた、90'sのスポーツアイテムや、グラフィックなどで定評のあるスイスのポスター類といった要素がデザインに反映されている。ともに¥6050

㉄ビームスT 原宿
TEL_03-3470-8601
https://www.beams.co.jp/beamst/

パラダイム×ビームスT
パラダイム×ビームスTも登場。こちらは比較的シンプルな仕上がり。胸元や背中に象徴的に配される文字がアクセントになる。Tシャツとしてかっこいいというだけでなく、インディペンデントな存在として異彩を放つ彼らへのリスペクトを込めて着倒したい。
ともに¥5500

㉄ビームスT 原宿
TEL_03-3470-8601
https://www.beams.co.jp/beamst/

PROFILE

Alex Olson
PARADIGM PUBLISHING

Alex Olson
スケーターとしてはもちろん、ビアンカ シャンドンやコール ミー 917を手がけていることでもお馴染み。さらにはDJ、モデルなど多彩な才能をシーンで発揮し続けるカリスマ。初の写真集『RED』をパラダイムから7月17日(金)にリリースする。アーティストとしての動きにも注目だ。
Instagram:@olsonstuff



PARADIGM PUBLISHING
セオフィロス・コンスタンティノウが主宰する、ニューヨークのインディペンデント出版レーベル。昨年は8月に日本で個展を行なったマリー・トマノヴァの写真集もパラダイムから出版されている。シーンの才能あるアーティストとともに、作品を作り上げながら、独自の立ち位置を確立している。今後は日本でのさらなる展開を予定しているとのこと。彼らの動向を欠かさずチェックしたい。
https://paradigmpublishing.co
Instagram:@paradigm_publishing

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