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Fucking Awesome<br>Interview with Jason Dill Fucking Awesome<br>Interview with Jason Dill

CULTURE, INTERVIEW 2021.11.24

Fucking Awesome
Interview with Jason Dill

スケートカルチャーとともに人生を歩み、コミュニティのクリエイティブを更新し続けてきたジェイソン・ディル。彼をはじまりとして誕生した〈ファッキング・オーサム〉(以下 FA) は一貫したアナログ手法で日々デザインを進化させている。アパレルに関しては、シーズンごとに展開していくなど、ジェイソン・ディルの頭の中にあるアイディアは、彼らしいさまざまな形で世に発信されている。今回は最新シーズンの撮り下ろしによるエディトリアルに加え、彼に今号のテーマ“距離”についてインタビューを敢行。ジェイソン・ディルが今この瞬間に考えていること、感じていることを“らしく”捉えた言葉の数々に触れる。

Photo Niall O’Brien(P067-73), Greg Kenton(P066)
Edit&Text Hiromu Sasaki

ー 最近何をして過ごしているのですか?

こんにちは。変わらずFAのボードと洋服用のアートをいつも通りつくり続けているよ。 夏が来て去って今はNew YorkにオープンさせるFAのストア(420 E. 9th Street)の準備をしているんだ。もう少ししたらそっちに行く予定だから、とても楽しみだね。

ー 過去を振り返ると現在との間には何かしらの“距離”があります。時間的なものかもしれないし、今と昔の考え方の違いによる価値観のギャップ(距離)かもしれません。 あなたの場合は過去を振り返ると、何が見えますか?

過去も今も自分は全く同じ人間。若い時から新しいものの見方、考え方を模索したり、新しい情報を得る為に常に本を読んだり、フィルムを見たり、今も変わらず同じ事をやっている。 だからFAの制作には本やフィルムが大きなモチベーションを与えているんだ。ちなみに好きなフィルムで奥田瑛二が監督した「るにん」は、とにかく素晴らしいの一言に尽きるね。東京で奥田監督と会ったことがあって、知性溢れる興味深い人でユーモアのセンスが印象的だったな。あとは日本映画で「ポチの告白」ってものも最高だね。


ー 同じく未来も考えてみると、現在と未来の間には何が見えますか?

できれば生存し続ける事。


ー スケートシーンはかつてない程に盛り上がりを見せていますが、あなたはそのマスなスケートシーンとはどのような距離を保っていますか?それについての良い距離感とはなんだと思いますか?

多くのスケートカンパニーのボードセールスはかつてないほどだと聞いて、それについては正直良かったと思う。ただ自分は他社がやっていることにはあまり注目せず、自分ができる限りの高いクオリティーのボード、洋服やプロダクトをつくっていくということに集中しているよ。物事との“距離感”に関しては、自分にとって注意を払う価値がなさそうなものからはだいたい距離をとっている。インスタグラムのアカウントももってないし、もし自分の名前のアカウントがあったらそれはフェイクアカウントさ。人の写真を見て一日を過ごすのは良い時間の使い方ではないと思っている。だからソーシャルメディアは見ないね。もちろんFAのインスタグラムはあるけど、それは自分たちがやってることを、楽しんでくれる人達にFAの活動を見てもらうため、今のところベストな場所だからさ。 実際にはFAは業界から遠く離れた場所に存在しているものなんだ。

ー FAには才能豊かな人たちが多くいますね。もちろんさまざまな世代がチームにはいますが、特に若い世代が多く在籍しFAの世界観を体現しているように感じます。彼らとの関係性における“距離”はどのようなものですか?

自分が自分のチームと距離を置くことはまずないね。エライジャであろうがナケルであろうが、ライダーのボードグラフィックを作成するときは、彼らが気に入って同意してくれていないと世には出ない。FAの在り方についてのライダー達の考えや意見は、FAを形づくる上で極めて重要なもので、とても大切にしているよ。FAをはじめた時からの信念であり、これからも継続していくさ。


ー以前はNYに住んでいて今はLAにいますね?その2つの都市は明らかに異なっていて、物理的に距離も離れています。異なる都市に移った背景はなんですか?

確かにとても違う。NYでの生活が恋しくなる時もあったけど、新しいストアをオープンさせるから、またNew Yorkに戻るかもしれない。今はLAが仕事をする上で好都合だけど、今後NYでの仕事が可能になっていけばまた戻りたいかもね。一方でときどき誰も住んでいない川や山、雪が降るような場所への移住も頭に過ぎったりはするよ。


ー “距離”という言葉について、もし定義をつけるとしたら、あなたの考えを教えて欲しいです。

先ほどの質問で話していたみたいに、いつの日か人々から離れた山や自然の近くに移住することがあるかもしれない。しかしたとえ移住してもすぐに飽きてしまうかもしれない。なぜなら自分は人間で、人間は愚かだから。

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