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CULTURE, FASHION, MONTHLY 2020.7.1

GAME CHANGER

EBISU BATICA

時代に呼応するカルチャー

得体の知れない新型ウイルスとどのように向き合うべきか。この問いに対する明確な答えは未だ見えてこない。比較的被害を少なく抑え込めた日本においても警戒は続いており、今までのような生活に戻るのは当分先のこととなりそうだ。気の合う仲間たちとお店を巡ってショッピングをしたり、イベントで朝まで遊び散らかしたり、そんな当たり前の日々が無くなってしまった寂しさを誰もが感じていることだろう。我々が愛してやまないファッションやカルチャーは今後どうなってしまうのか。今はどうなっているのか。徐々に増えてきたライブ配信やSNS、YouTubeなどはこの分野においても定着していくのだろうか。

Text_Atsutaro Ito
Photo_Ryo Sato

Photo_Toshimura

エンターテイメント業界に起きた
これまでにないパラダイムシフト

このような状況下において、5月30日に東京の中目黒solfa、恵比寿BATICA、下北沢にあるCOUNTER CLUBとANDY’S STUDIOの系列4店舗による合同プロジェクト「#S/B/C/A feat 板橋兄弟(PUNPEE&原島“ど真ん中”宙芳)」が無料配信された。先が見えず不安でヤキモキしていた我々に久々の“イベント気分”を味わせてくれ、エンターテイメントの新たな可能性が提示された2時間。配信ゆえに何が起こるか分からないドキドキ感は、以前の三密なイベントよりも増していたようにさえ感じられた。そんな「#S/B/C/A」の仕掛け人のひとりで、恵比寿BATICAのディレクターを務める鈴木健さんに、コロナの少し前から現在までのシーンの変遷や新しいイベント形式など、細心の注意を払いながら現場のリアルな声をインタビューした。
「いつかエンターテイメント業界が向き合わなきゃいけない課題を急に残酷に突きつけられたような感じですね。今までも配信などのアイディアは存在していたのですが、やはりアーティストの力強いライブやDJの超絶プレイなんかは現場主義が当たり前でした。いずれはライブもVRなどで家から参加になるかも?でもそれは今すぐじゃないよな。そんな風に思っていたのですが、コロナで強制的にそうせざるを得ない状況になってしまいましたね。今はイベントを組むにあたって、以前の方程式を同じようには使えない、それでもこの場所を残していかなければならない、みたいな感じで色んなことを模索していますし現在もその最中です。コロナが騒がれる前に動いてたことも再度考え直さなきゃいけないのですが、期待の若手がたくさん現れはじめていたところだったのでそういった意味では残念ですね」。
「例えば、IDENTITYという20歳前後のメンバーが中心のイベントは平日にも関わらず毎回120人以上が遊びに来ていて、内容的にも音楽好きなのが伝わってくるんですよ。もともとはCYKに触発されて活動を始めたそうですが、今ではKotsuくんも認めている存在になっていて、今後が楽しみな内容を展開していますね。STEPHENSMITHというスリーピースバンドも注目株で、ブラックミュージックをベースにしながら独自の視点で世界観を表現しています。彼らも音楽が大好きで、好きすぎるがゆえにインスタなどのセルフブランディングはそこまで積極的じゃないんですけど、それは今後アップデートできるので、今は音楽やイベントに注力しとけばいいよねって話していたんですけど…。IDENTITYとSTEPHENSMITHの両者とは、それぞれと今年の6月に一緒に企画していたことがあったので、それができなくなったのは悔しいですね。それでもまた新しい何かを企画できるはずですし、彼らのように本当に音楽が好きな人はこの状況下でもさらに進化していくんだと思います。他にもBATICAの若手社員、シャイニング田中が紹介してくれたMellow Down MarketっていうHIP HOP好きなクリエイティブクルーもすごく興味深くて、atmosとコラボしてアパレルを出したり銭湯でイベントをやったりと、さまざまな若手のみならずイベントで何かを体現しようと僕たちも刺激を受ける人たちがいて、それを行っていくところでした」。

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2.6 「Thu」at EBISU BATICA ¥1500+1drink open 18:00 close 23:30

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状況を逆手にとり
表現を続ける

既存のルールや価値観にとらわれず、好きなことを好きにできるアーティスト。新型ウイルスの襲来によって変化した世の中において、彼らはクリエイティブなマインドで表現を続けた。Lady GaGaが発起人となったチャリティーライブなんかはその最たる例と言えるだろう。国内においてもこの状況を逆手にとった面白い表現をしているアーティストを鈴木さんに教えていただいた。
「Twitchというアプリを使って普段のパーティと同じテンションをオンラインにも出現させたのがMOGRAをはじめ、MU2020だったかと思います。配信でもライブの時に楽しかったことを素直に自然に追体験させていて、もともとゲームの配信用プラットフォームとして存在するTwitchを最大限活用していた印象です。これは意外にも難しいことで、それまでに積み重ねてきたものがあるからこそできることなんですよ。そういった視点で見るとSeihoがYouTubeでやっているヴァーチャルおでん屋も、彼が培ってきた関係値があるからこそ実現できているのだと思います。あとはvalkneeが中心となって田島ハルコやなみちえ、ASOBOiSM、Marukido、あっこゴリラで作られたZoomっていう曲はMV含め、今だからこそできる表現を違和感なくやっていて、内容的にも彼女たちにしかできないことだったと思います」。

Seiho @seiho777

valknee @valknee

お互いへの愛が支える
人間が作るカルチャー

  • スライド

  • スライド

このように世界的な自粛期間中にチャレンジングな企画や活動、表現を行なってきたアーティストたちも、ゆくゆくは以前のような人前でのライブを期待しているはずだ。そんななかでBATICAもライブ配信をはじめ、グッズ販売(https://solfastore.official.ec/)やDJ MIX(https://soundcloud.com/sbcaracksradio)を公開するなど、来る日のために試行錯誤をしながらこの状況を乗り切ろうとしている。
「表現の機会がなくなった人に一緒に何かできる場所、機会を提供したい。そんなストーリーから始まったのが動画配信「#S/B/C/A」とグッズ販売、そしてDJ MIXの公開です。またお客さんが実際に足を運んで、イベントができる時まで何をするのがベストな選択肢なのか。正直、通常営業であれば自信を持てていたことも、今は全てが勝手が違っていて、アーティストや関係者に申し訳ない思いをさせていないか不安でした。けれども実際は何も言わずにグッズを買ってくれたり、配信上のトラブルもアーティスト側が対応してくれたりして、こんな時だからこそお互いへの愛を改めて実感しました。そこに対しては本当に感謝しかありません。ネガティブな感じよりもいつか戻る日のためにここを乗り切ろうっていう愛やエネルギーが皆に宿っているのを感じてますし、自分もたぎらせてます」。
ピンチの時に感じたお互いへの愛。カルチャーは人間が作るものであるならば、きっとその愛こそがこの局面を打開する鍵なのだろう。そしてその愛をどういったクリエイティブで表現していくか。そのヒントは己がこれまでに磨いてきたスタイルにこそあるはずだ。

#S/B/C/A feat 板橋兄弟(PUNPEE&原島“ど真ん中”宙芳)

■ 完全ノーカット版
Presented by solfa / BATICA / COUNTER CLUB / Andy's Studio
■ 放送日時
2020年7月4日(土)21:00〜2020年7月5日(日)21:00
24時間限定有料配信 ¥1000
チケット購入ページ
https://qumomee.toos.co.jp/products/0704_itabashi_kyodai
■ Special Guest
板橋兄弟(PUNPEE&原島“ど真ん中”宙芳)& Friends
■ 視聴方法について
https://qumomee.toos.co.jp/pages/how-to-use-qumomee

PROFILE

S/B/C/A
EBISU BATICA

S/B/C/A
solfa / BATICA / COUNTER CLUB / ANDY’S STUDIO contents.
Instagram:@sbca251
Twitter:@SBCA97379966
soundcloud:https://soundcloud.com/sbcaracksradio
OFFICIAL STORE:https://solfastore.official.ec/

EBISU BATICA
150-0022 東京都渋谷区恵比寿南3-1-25 ICE CUBE 1F/2F
TEL_03-5734-1995
batica.jp
Instagram:@ebisubatica
Twitter:@BaticaEbisu



鈴木健

EBISU BATICA ディレクター
1985年10月15日生まれ
Think Global,Act Local and just cultivate,
from EBISU BATICA.
容姿凡庸×英語堪能×文化愛。
Instagram:@ponyszk0931
Twitter:@ultrapony0931


■告知情報
EBISU BATICA presents
SIGNET ROOM supported by Spincoster
2020年7月1日(水)ON AIR 20:00

アーカイブ期間:2020年7月5日(日)24時まで
LINE UP:おかもとえみ、Mom、GOKOU KUYT、Foods
DJ:原島“ど真ん中”宙芳、HIGH-TONE

購入はこちら
https://qumomee.toos.co.jp/products/signet-room

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