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CONVERSE ALL STAR LGCY『The Timeless Journey』 CONVERSE ALL STAR LGCY『The Timeless Journey』

CULTURE, FASHION, INTERVIEW 2025.5.20

CONVERSE ALL STAR LGCY『The Timeless Journey』

No.6 BEAMS

バスケットボールシューズとして、1917年に誕生したコンバース ALL STAR。100年以上の歴史のなかで多くのアップデートを重ね、ファッションやカルチャーとも強く結びつきながら、広く親しまれているスニーカーのひとつだ。そして2025年2月、コンバースから新たなフラッグシップモデルALL STAR LGCYが発売された。70’sのALL STARのディテールを踏襲しつつ、現代に寄り添うデザインや履き心地を追求した、まさに原点から未来を見据える1足。ヴィンテージを好む人だけでなく、今まで手に取ってこなかった人にとっても、この潔いシンプルさがスタイルに新鮮味をもたらしてくれるのではないだろうか。ブランドのアイデンティティを落とし込んだALL STAR LGCYを取り扱う全国6店舗にスポットを当て、それぞれのショップがもつカルチャーとの関係値、そして6つの視点からファッションの可能性を探る。

Photo_Haruki Matsui
Edit&Text_Fuka Yoshizawa

原点に立ち返り
新たな視点を

 1976年に創業した〈BEAMS〉は、30を超えるレーベルをもち、国内にとどまらず世界各国でも広く展開しているセレクトショップ。現在に至るまで、常にユニークかつ革新的なアイデアで多くの人々を魅了し、ファッションシーンにおいて独自の立ち位置を築いてきた。中でもメンズカジュアルレーベルにあたるBEAMSは、“ベーシック&エキサイティング”をテーマに、〈BEAMS〉のベースとなるアメカジスタイルにスポーツやワーク、ミリタリー、アイビー、ロック、サーフ&スケートといったカルチャーを織り交ぜたカジュアルウエアを展開する。1917年にアメリカで誕生したコンバース ALL STARも、普遍的な魅力をもちながら今まで多くの人々に親しまれてきたシューズであるが、両者の共通点とは。〈BEAMS〉内でも人一倍コンバースへの愛が深いバイヤーの飯塚昴の視点とともに、それぞれの関係性を読み解いていく。
「〈BEAMS〉レーベルだけでもバイヤーは9名おり、社内でも1番多いです。常に全員で動くのではなく、半年に1度、それぞれの武器や適正に合ったブランドを振り分け、2、3名のチームで動いています。〈BEAMS〉には多くのレーベルがありそれぞれの特性がはっきりと分かれているのですが、自分たちがモノを選ぶ時、アメカジスタイルにハマるかというのは絶対条件としてバイヤー陣の共通認識でもっています。なかでもコンバースは、〈BEAMS〉レーベル取り扱い全店舗で展開するほど欠かせない存在です。やっぱりアメカジスタイルの定番だと思うし、永遠に変わらない普遍的な魅力をもつので、絶対的なワードローブの1足として提案してきました。今回、ALL STAR LGCYが発売されたことで、〈BEAMS〉では今までお取り扱いさせていただいていたモデルを一旦お休みし、このALL STAR LGCYを全店で取り扱いをさせていただくことに決めました。今までも“なくてはならない存在”だったコンバースを、改めて〈BEAMS〉を通してその魅力をたくさんのお客さまに広げていけたらと思っています」。
時代に合わせアップデートを重ねながらも、その親しみやすいシンプルなデザインが、多くの人に愛されてきたALL STARは、〈BEAMS〉の今までの歴史や取り組みと通ずる部分がある。そして今、ALL STAR LGCYが登場したことは、〈BEAMS〉らしさとは、という原点に改めて立ち返る機会にもなったのではないか。単なる定番品という言葉で片付けるのではなく、現代だからこそのアプローチや付加価値がショップに求められるはずだ。このアプローチに関しても、飯塚ならではの視点が垣間見える。

  • スライド

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 「自分は小さい頃から、父の影響もあってコンバースのシューズを履いていたので、昔からたくさん集めていました。ファッションへの興味も、70’sのヒッピーカルチャーやそこに通ずるロックなどから影響を受けていて、ビートルズやニルバーナ、ラモーンズといった時代をつくってきたアーティストがこぞって履いているイメージがあります。古着でデッドストックのALL STARを集めたり、自分にとっては1番履いてきたし1番好きなシューズブランドですね。そういう音楽的なルーツもあり、自分の王道のスタイルとしてフレアパンツや細いパンツをよく履くのですが、そこに合わせるシューズは絶対にブーツやローテクスニーカー。裾広がりのフレアパンツって、シューズはつま先の方しか見えないんですね。だから、ALL STARを履いた時に1番重要視するのがサイドステッチの部分。これが分かる人には分かるポイントなので。今回のALL STAR LGCYも、トウキャップの質感やサイズ感が絶妙で、サイドステッチも70’s当時の再現をしているので自分的にテンションが上がるポイントです。それこそ学生時代は古着屋で購入したUSA製のALL STARをひたすら履いていたのですが、今履くと地面に近すぎる感じがしていて。でもこのALL STAR LGCYは、クッション性があって歩きやすいし、ボリューム感がフレアパンツとすごく相性が良いなと思い、自分としては見た瞬間、絶対にお取り扱いをさせていただきたいと思った商品です。最近だとトレンドの流れからも太いパンツが主流なんですけど、個人的に気分が変わってきていて。出張で海外に行った際にもさまざまなブランドが細いパンツに切り替え出しているなと感じました。だからこそ〈BEAMS〉でも、自分の王道スタイルの細いパンツと合わせて、それを自分なりの解釈で提案していきたいなと思っています。自分にとっては定番のスタイルだけど、ひょっとしたら10代くらいの若い子はALL STARを履いたことがない人もいるんじゃないかと思って。そういう意味でも、お客さまの目に新鮮に映るような提案をしていきたいですね」。

飯塚にとっても自身の原点に立ち返るような感覚を得た今回のALL STAR LGCY。トレンドのサイクルのなかで、定番とも言えるモノは、埋もれてしまうこともある。しかしALL STAR LGCYのように、コンバースが培ってきたモノを継承し、現代のスタイルとして提案できるシューズは、やはり本質を捉えつつ未来を見据えた1足と言えるだろう。時代に寄り添い進化する〈BEAMS〉とともに、ALL STAR LGCYが、新しい“定番品”としてこれからのシーンに名を残していくかもしれない。


A special pair with memories.

「以前は集めていた」と言うほど、多くのコンバースを所有している飯塚は、なかでも特に思い入れのある2足を持参してくれた。左はまだ1度も履いていないというデッドストックのALL STAR。右はもう履けなくなってしまったほど自身でもかなり履き潰したというALL STAR。「どちらも80’sのALL STAR。父がもっていて、学生の頃譲ってもらいました。左のキャンバスは履かずに取っておいてあるけど、右はもう底の部分がダメになるくらい履きました。当時は価値を理解しておらず、今考えると両方取っておけばよかったですね(笑)。〈BEAMS〉の面接でも履きました。LEVI’S®のGジャン2ndを羽織ってレザーパンツを履いて、このALL STARを合わせて、アメカジの代表格を纏って勝負したのを覚えています。だからこそ履いた分だけ思い出が詰まっています」。

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