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CONVERSE ALL STAR LGCY『The Timeless Journey』 CONVERSE ALL STAR LGCY『The Timeless Journey』

CULTURE, FASHION, INTERVIEW 2025.4.7

CONVERSE ALL STAR LGCY『The Timeless Journey』

No.4 UNDEFEATED

バスケットボールシューズとして、1917年に誕生したコンバース ALL STAR。100年以上の歴史のなかで多くのアップデートを重ね、ファッションやカルチャーとも強く結びつきながら、広く親しまれているスニーカーのひとつだ。そして2025年2月、コンバースから新たなフラッグシップモデルALL STAR LGCYが発売された。70’sのALL STARのディテールを踏襲しつつ、現代に寄り添うデザインや履き心地を追求した、まさに原点から未来を見据える1足。ヴィンテージを好む人だけでなく、今まで手に取ってこなかった人にとっても、この潔いシンプルさがスタイルに新鮮味をもたらしてくれるのではないだろうか。ブランドのアイデンティティを落とし込んだALL STAR LGCYを取り扱う全国6店舗にスポットを当て、それぞれのショップがもつカルチャーとの関係値、そして6つの視点からファッションの可能性を探る。

Photo_Haruki Matsui
Edit&Text_Fuka Yoshizawa

トレンドではない
スニーカーの選択を

LA発の〈UNDEFEATED〉は、スニーカーとストリートウエアを展開するセレクトショップ。現在では、日本のみならずアジア圏を中心とする世界各国に出店している。中でも日本の旗艦店となる渋谷店は、壁一面にスニーカーが並ぶなど、その豊富なラインナップとともに本国LAのカルチャーやムードが体感できる店舗となっている。目当てのスニーカーを求めて日々多くの人々が来店する〈UNDEFEATED〉では、スニーカーをメインに取り扱うからこそ、洋服とはまた違う視点でトレンドが見えてくるという。ファッションという同じカテゴリーにありつつ、似て非なるものであるスニーカーと洋服。今回は、足元の視点からみたファッションを探るべく、スタッフの髙橋宗と池田陸に話を聞いた。
髙橋「僕は小中とサッカーをやっていて、そのスパイクのデザインや機能性にこだわりをもつようになってからスニーカーに目覚めました。そのこだわりが普段のスニーカーにも影響し『このスニーカーに合わせるならどんな服かな』というようにファッションにも興味をもつようになっていきました」。
池田「僕の場合は母親の影響が大きいです。母が裏原ど真ん中世代で、某スニーカーショップで働いていたこともあり、物心ついた時にはスニーカーに興味をもっていましたね。いろいろ掘っていくなかで徐々に自分の好きなブランドやデザインを見つけていきました」。
ルーツは違えど、スニーカーというものからファッションへと興味が広がっていった2人。同期という2人は〈UNDEFEATED〉で日々多くのスニーカーに触れているからこそ、昨今のスニーカートレンドについてもリアルな意見が上がった。

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池田「最近は、靴底が薄いローカットシューズや、最新の技術を駆使したハイテク系スニーカーがやっぱり台頭しているかなと。もう異常な人気で、モノ自体が好きだから購入するというより、流行っているからとりあえず買うみたいな流れもある気がしていて。正直その流れはあまり好きな流れではないですね」。
髙橋「昔はスニーカーといえばこのブランドというものが限られていましたが、今はランニングシューズやトレッキングシューズなどもファッションとして普段履きできるようになり、選択肢がすごく広がってきている印象です。だからこそ一強みたいなブランドがなくなり、バランスが取れてきた部分はありますね。僕自身は逆に、今まで時代を象徴するようなハイプなスニーカーを多く手に取ってきたけど、歳を重ねてスタイルも大人びてきた気がしているので、今はコンバースなどのローテクな王道スタイルが気分です。大学生くらいからスニーカーブームを経験してきた自分と同じ世代の周りの人たちも、割とそういうローテクシューズに移行している感じはしますね」。
池田「僕は毎日スニーカーを見ているからこそ、現行のモデルに興奮することが少なくなってきた気はします。ハイテクもいいけど、ヴィンテージでしか手に入らないようなスニーカーを見ると、テンションが上がるかな。加水分解で劣化してしまう部分は除いても、機能性もハイテクすぎない方が逆にしっくりくるというか、履きやすかったりするような気もしますね」。
スニーカーもY2Kやテックの台頭というファッショントレンドと近しい傾向を示している中で、アイテムやブランドの魅力には興味をもたず、トレンドに流されている現象が少なからず存在することがわかる。こういったスニーカーシーンにおいて、普遍性と機能性を備えたALL STAR LGCYはトレンドとは異なる軸で、アイテム自体に特別な意味を染み込ませていくという、ファッションやカルチャーが本来あるべき状態を思い起こさせてくれる。

2月に発売されたALL STAR LGCY。発売前から多くの関心がもたれていたが、キャンバス地のほかに、アッパーにスエード素材が用いられたSUEDE ALL STAR LGCY OXが発売された。シンプルながらも上品な出で立ちは、キャンバス地の ALL STAR LGCYとはまた違う魅力を放つ。カルチャーを象徴するスニーカー、トレンドや最新のスニーカーが並ぶ〈UNDEFEATED〉にて、このALL STAR LGCYはどのように作用するのだろうか。
髙橋「コンバースが好きな人にとっては待ち望んでいた一足なんじゃないかと思います。特にヒールラベルの一つ星はヴィンテージで探しても中々見つからないですし。現行のALL STARのヒールラベルとはやっぱり印象がグッと変わるし再現度も高いですよね」。
池田「先程、ヴィンテージスニーカーならではの履き心地の部分を話したと思うんですけど、ALL STAR LGCYの履き心地はめちゃくちゃ良いです。唯一ネックだったこの履き心地の部分が解消されていて、これは手に取りたくなります。僕は断然スエード派ですね。ほっこり感がないし、これは人気が出ると思う」。
髙橋「シンプルだけど、現代的なアップデートがされているから、ストリートでもキレイめな洋服を着たい人たちに刺さると思います。若干ボリューム感があるところも今っぽいし、若い層にもしっかりとアプローチしていきたいですね」。
池田「僕が今日着ているようなミリタリーっぽい合わせや〈UNDEFEATED〉はもともとスポーツが根底にあるブランドなので、スポーツスタイルでの提案もしていきたいし、一皮むけたALL STARの履き方を一緒に探せていけたらなと思います」。
スニーカートレンドも目まぐるしく変化する中で、どんな時も変わらずにベーシックなスニーカーの代表であり続けるコンバースALL STAR。それは決して廃れることなく絶対的な地位を築き上げてきた証拠であり、普遍的であるからこそさまざまなファッションと結びついてきた。足元は単にトレンドを写すためではなく、周りに流されずに自分の道を歩むという意思表示を可能にする。ALL STAR LGCYはそんな選択に寄り添い、あなたのスタイルに染まることを歓迎してくれる1足と言えるだろう。


A special pair with memories.

髙橋がもってきてくれたのは、個人的に好きだというONE STAR SUEDEモデルのブラック。発売された2022年当時は購入できなかったが、どうしても欲しくなりオンラインで探して2足購入したうちのひとつだそう。「昨年発売されたONE STARの緑を購入してから、どうしても黒も欲しくなって血眼で探し購入したのですが、同時期に同い年のいとこから『ONE STARのブラックが欲しい』と連絡が来て、1足は譲ったんです。同じタイミングで同じものを欲しがっていたのが面白くて、何だか忘れられない1足です」。

UNDEFEATED
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