FASHION 2022.6.9
1 MONCLER JW ANDERSON
Interview with JONATHAN ANDERSON
モンクレールが築き上げてきた背景や技術をベースに、才能あるデザイナーを招聘して、さらなる高みを目指す〈モンクレール ジーニアス〉というプロジェクト。今回は2020年シーズンより継続して行われる、ジョナサン・アンダーソンとの取り組みに焦点を当て、最新コレクション発売のタイミングで、このプロジェクトについてインタビューを敢行した。今回のコレクションのために撮り下ろされたビジュアルとともに、両者が交わる意図を味わいたい。
Edit&Text Shuhei Kawada
創造性と技術が出会う
実験的な道のり
自身の名前を冠した〈J.W.アンダーソン〉だけでなく、ロエベのクリエイティブディレクターも務めるジョナサン・アンダーソン。〈モンクレール ジーニアス〉における彼のクリエイションからは、色使いやシルエットなどから、紛れもないジョナサン・アンダーソンらしさが放たれているが、本人はこの取り組みについて、何を思っているのだろうか。「モンクレールはクリエイティブな表現をフルに発揮できる素晴らしいラボで、私にとってこのコラボレーションは、常にエキサイティングなものです。自分自身のコレクションではあまり使用しない素材や、ダウンジャケットのような機能的なアウターウエアのアイディアを扱うことができますし、自分の普段のクリエイションとは異なる道を探ることになるのです。自分の中にある、クリエイティブなマインドの異なる部分を使うことは、まるで2人の人間が中心で出会うような体験にも思えて、とても刺激的です。また、2つのブランドやデザイナーが互いに学び合うことのできる機会でもあると考えています」。自身の内側にある、普段のクリエイションとは異なる側面を、このプロジェクトによって刺激され、彼らしさとモンクレールらしさが、絶妙なバランスで調和しているのだ。また協業に際して、自身の強みとブランドの強みという両面も彼が意識している部分であり、両者のエッセンスをしっかりと反映させる。「モンクレールの技術とクラフツマンシップ、そしてクオリティは本当に素晴らしいものです。実用的で、これほどまでに自由かつ実験的な取り組みが可能なブランドは、この時代には珍しいのではないでしょうか。新しいクリエイションでは、思いがけないモチーフを取り入れたいと考えていました。80年代のストリートアートや、スプレーペイント、スプレー缶といったプリミティブなものから、インスパイアされており、見た人の目を楽しませる色や柄として採用していきました。今回のコレクションでは、楽観的なイメージを求めており、ロッククライミングや登山を連想させるような鮮やかなカラーがテーマになっています。大自然に身を置いた、逃避行のような感覚です。私はモンクレールの目を通して、〈J.W.アンダーソン〉を探求しているのです。まるでおもちゃで遊んでいるように、若々しいアイディアが好きで、そこから生まれてくる良い感覚があるのです。年齢に関わらず、若々しさや新しさはどこかいいものですね」。若くしてシーンに登場し、すでに圧倒的なキャリアを築いてきたようにも思えるジョナサン・アンダーソン。あらゆるクリエイションを並行しながらも、枯渇しないアイディアが湧き出てくるのは、ピュアな好奇心や探究心によるものなのかもしれない。ジョナサン・アンダーソンの思考に触れつつ、彼が手がける〈モンクレール ジーニアス〉のコレクションに目を通すことで、感性を刺激するような出会いが訪れるのではないだろうか。
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