GRIND

FASHION, INTERVIEW, MONTHLY 2020.5.26

The way of Materials

Both × Second/Layer

“2つ”に導かれた
いくつかのストーリー

5月15日にローンチされたパリの新鋭シューズブランド、ボースとサウスカルフォルニアのストリートカルチャーをルーツに持つセカンドレイヤーによるコラボレーション。ボースの工場のワークウエアがインスピレーションとなった今回のコレクションでは、ボースのアイコニックなレザーシューズとあわせて、ウエアも数多く展開される。セカンドレイヤーへのインタビューから紐解いていくと、共演の背景には“2つ”というキーワードが。

Tシャツにプリントされた、今回のコラボレーションを象徴する“二”の文字。

Tシャツにプリントされた、今回のコラボレーションを象徴する“二”の文字。

“二”でひとつに

5月15日のローンチされた、ボースとセカンドレイヤーによるコラボレーションでは、ボースの大胆なラバーソールと繊細なデザインによる特徴的なシューズのみならず、セカンドレイヤーが独自の解釈を加えたウエア類も展開されている。ボースの工場のワークウエアから着想を得たという今回のコレクションは、ワークウエアの機能的な美しさを際立たせ、ファッションにおけるアイテムとしての価値を高めた。「ボース、セカンドレイヤーというブランド名からわかるように、多様なあり方を表現しようとしている。このコラボレーションでは、漢字の“二”を用いたロゴが象徴するように、クリエイティブの力を二重に、そしてコレクションの背後にある文化をまたいだ友情の祝福と、団結を示すというコンセプトが核になっているんだ。このコレクションは、コラボレーションの過程のチームワークとスピリット、そしてボースの工場で働く人々からインスパイアされている。ワークウエアを手がけることと、普段のクリエイションの違いは工場の実用的な機能を意識するという点。過程は変わらず、しっかりと作用する素材を使い、長い期間使用できるよう組み立てていくんだ。自分の見え方にプライドを持った時、自分自身をより良く感じられて、結果として労働環境や仕事の結果につながるよね」。ボースの斬新な出で立ちのブーツは、インダストリアルな空気感と調和し、セカンドレイヤーのアプローチはワークウエアを適度にルーズな表情へと変えた。互いのモノづくりのフィールド、アプローチ、背景は違えど、“二”がつなぎ合わせた縁が、本質的な距離の近さを感じさせ、難なくお互いのより良いパフォーマンスを引き出し合う関係性を築いたのではないだろうか。

特徴的なソールに目がいく、インパクトある出で立ちのシューズ。今回のテーマである工業的な要素と調和し、無骨でありながらデザインとして美しさを感じさせる。コラボレーションを象徴する1足。

今回のコラボレーションのビジュアルの一部。ワークウエアをファッションの視点から、セカンド レイヤーならではのアプローチで表現し、程よいルーズ感でまとめあげている。

ストリートとテーラリング

Photo_Uliz Hung
セカンドレイヤーを手がける、ジョシュア・ウィリス、ジェイコブ・ウィリス、アンソニー・フランコのトリオ。「インスピレーションが常につながっていることで、デザインが流動的になる。そしてそれぞれのアイデンティティが、コレクションに多様性を与えている」という。

セカンドレイヤーの手がける洋服は、心地よい。飾り気がないのに美しく、堅苦しくないのに上品だ。程よくルーズなシルエット、サイジングなど“テーラーメイドデイリーウエア”と彼らが呼ぶアイテムの数々は、どのようにして生まれてくるのだろうか。今回のコラボに際してのインタビューでは、彼らのクリエイションや背景についても、詳細に触れてくれている。「私たちはサウスカリフォルニアで生まれ育ったので、スケートボードやサーフィンといった90年代のメキシカン・アメリカンカルチャーの幅広い部分に触れてきた。そこからインスパイアされているから、しなやかでクールなニュアンスを取り入れているよ。これこそまさにウエストコーストの感覚なんだ」。密接なストリートとの関係性は、物質としてというより、感覚的に彼らのクリエイションへ影響を与え続けているのだろう。そしてより技術的なアプローチとして特徴的なのがテーラリング。「私たちはストリートで着られる、汎用性がある洋服を作りたいのです。キャリアをスタートした頃のメンターが、2000年代初頭において、ストリート的な影響とクオリティの架け橋となったマルタン マルジェラや川久保玲、渡辺淳弥といったデザイナーたちの世界に対して見識を与えてくれたんだ。そこからパターンやデザイン、生地への理解が深まっていったかな」。昨今ファッションの潮流において、話題を集めたストリートとハイファッションの融合。ストリート的なデザインを、ハイファッションに落とし込むようなアプローチや、ストリートシーンと密接なつながりを持つ人物への、ハイファッション側からのアプローチなど、いくつかのパターンが見られたが、セカンドレイヤーはそれらとは異なるスタンスを取っているように思える。だからこそリアルな温度感を持ったストリートウエアとしての立ち位置を保ったまま、新鮮な表情を見せてくれる。2つの要素を、程よいバランスで混ぜ合わせていく彼らは、自分たちについてこう締めくくった。「古き良きものがニューウェーブと出会うんだ」。

セカンド レイヤーの20SSシーズンルック。ラフな表情と品のある佇まいは、ストリートとテーラリングが絶妙なバランスで混ざり合うからこそ。ストリートウエアとハイファッションの垣根が曖昧に感じられるような流れもあるが、そのような潮流とは一線を画すクリエイションによって、独自の方向性を示している。

PROFILE

both × Second/Layer

both
2016年に設立された、パリを拠点とするシューズブランド。昨年南青山に日本初となる旗艦店をオープンしたことも記憶に新しい。ラバーを用いたソールが特徴的なシューズの数々は、大胆なインパクトと繊細なデザインを両立させ、見る者、履く者を楽しませる。

both.com
@bothparis



Second/Layer
ジョシュア・ウィリスとジェイコブ・ウィリスそしてアンソニー・フランコの3人で手がけるブランド。スケートボードやサーフィン、音楽といったストリートカルチャーを背景に、テーラリングを用いた服作りを行う。サウスカルフォルニアのルーツを感じさせる雰囲気が程よく上品に落とし込まれる、“テーラーメイドデイリーウエア”を展開。

secondlayer.us
@secondlayer_us

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