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Marie Tomanova
NEW YORK NEW YORK
ニューヨークを拠点に活動するチェコ出身のフォトグラファー、マリー・トマノヴァ。2018年に自身初となる写真集『Young American』を出版し、順調にステップアップを重ねてきた。彼女が撮り続けてきたのは、ニューヨークで過ごすユースの姿。処女作である『Young American』の続編ともいえる、『NEW YORK NEW YORK』に写るニューヨークのユースは、希望にも似た輝きをもって刺激を与えてくれるだろう。また彼女の作品同様に、前作では序文をライアン・マッギンレーが記したことも話題となったが、今回はソニック・ユースでの活躍でも知られるキム・ゴードンが本作に寄稿している。
Edit&Text Shuhei Kawada
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ほとんどの写真が2019年から2020年にかけて撮影されており、世の中の変化は進めどユースのピュアなエネルギーは色あせないのだと教えてくれている。彼女がポートレートに写すのは、尖ったファッションに身を包む若者ということではなく、彼ら、彼女らの内側にある自由でいること、自分らしくあることを体現しようというマインドなのだ。我々が自分では意識していなくとも、日々の生活ですり減っているかもしれない、そんな人間としての本質的な欲求を、彼女の写真から改めて感じてみてはいかがだろうか。
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Information
Marie Tomanova『New York New York』
出版社:Hatje Cantz Verlag
仕様:ハードカバー、176P、146作品